最高到達点再び
特別何かを成し遂げたわけでなく、体温が異常に
高くなっただけなんだが。
三十九度五分なんて体温そうそう目にしない。
別に体温計の故障でもなく、正確であろう体温。
目にしてもちっとも嬉しくない。
ただ熱が最高に高かった時の自分をビデオで撮ったら、
安酒を大量に飲んでヘベレケになったよっぱらいみたいだったろうな。
しかしこんな時こそ早く時間も通り過ぎてくれると有り難いが、
遅々と進まない。
そろそろ待ちわびた夜明けがやって来る。
まぁ、ついさっきまで自分の体も支えられなかった訳だから、
良しとしよう。
しかし高熱の時に飲む一口の冷たい水は何であんなに旨いんだろう。
映画に出てくるお年寄りの決めせりふ(ちがうかな?)の
「甘露、甘露」を思い出した。
今は別の甘露も口にしたい。
ああ、今頃のどかなセミの鳴き声が聞こえてきた。…end…
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