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大好きなもの達や過去の記憶の断片達
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”人生最後の食事は何食べたい?”

こういった問いかけを、もうずいぶん前から見かけるようになった。

最初に見かけたときは、”ん?”と思っただけだったように思う。

その後、何度かこの問いかけを目にした時になんとなく考えてみた。

考えてみて、出てきた食事のメニューは”おむすび”だった。

多分、条件反射的に出てきた答えだったと思う。

子供の頃から現在に至るまで、食べてきた回数と思い出が結びついた答えだろうな。

人によっては、”お母さんの握ったおむすび”だったり”お父さんが握ってくれたおむすび”だったりするのかもしれない。

自分の場合、一人暮らしを始めて一番最初に炊いたご飯で作った”おむすび”を思い出す。

誰も頼る人がいない場所で、自分のために自分で最初に作った食事。

なんだかいろんなものにおっかなびっくりな状態で、ほっと一息つけた味が忘れられない。

インスタントだけど味噌汁も作って”おむすび”と一緒に食べたあの時の味は、もう再現できないと思う。

今だったら、当たり前のように卵焼きや漬物に他のおかずも用意するんだろうな。

本当に最後なんだと思ったら、きっと高級料理店のメニューなんて頭に浮かばない。

アルコールも必要ない。

ほっとする味を邪魔するものは、何もいらない。

自分の出した答えに”あぁ、庶民なんだよなぁ”とか、”やっぱり日本人だからかな?”なんて考えて笑ってしまうけど。

つい最近、何かで”人生最後の食事”といったキーワードを目にして、頭の中で思い出の”おむすび”の味を反すうしてしまった。

自分以外の人が食べたいと思う”人生最後の食事”って、一体何だろう。

やっぱり思い出の食事なのかな?









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