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大好きなもの達や過去の記憶の断片達
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またあの場所だった。

目が覚めて懐かしいような
残念なような不思議な感じがした。

夢に出てくるのは、現実には存在しないが
頭の中で固定された特定の場所。

子供の頃に住んでいたアパートの近所や
20代の頃に良く訪れた場所。

もう何度も出てくるので馴染みになった
夢の中だけの場所。

今回自分がいたのは20代の頃から夢に出てくる
駅前や駅のホーム。

夢の中ではJRの渋谷駅前なんだが、当然、実際の駅前は
あんな場所じゃない。

人ごみの中で、あちらに行こうかこちらに行こうか
考えながら歩いてる。

地下鉄なのかJRなのかは不明だが、いつの間にか
電車に乗って出入り口の扉の上に貼られた路線図を
じっと見ている。

ここで乗換えだと気付いて降りてみるが
降りたところは知らない駅のホーム。

あぁ、ここで乗り継ぎなんだと次の電車が来るまで
じっと待っている。

古びた貨物列車が停車して、いつまでもホームに
居座り続けているので乗り継ぎを諦めて
ホームの反対側にある階段を使い、そのまま駅の外へ出る。

外へ出れば、そこは当時住んでいた町の駅前商店街。

実際の駅前はあんなに広くないし、昭和初期の映像のように
闇市の様なバラック作りでもない。

バラック作りの屋台が並ぶ商店街を歩き回り
どこで食事をしようか悩んでいるが
決められずにそのまま商店街を出てしまう。

気付けば何故か、当時は持ってなかった
自分の車を探しに歩き回っているが、駐車場が
何処だったのか分からずいつまでも町中を歩き回る。

やっと思い出した駐車場は全く別の町で
その場所まで歩いて行く。

大抵、駐車場で自分の車を探しているところで
目が覚める。

そしていつも、目が覚めたときに
あのバラック作りの屋台で
何か食べておけば良かったと後悔する。

きっと、またあの町へいけるだろう。

次にあの町に行ったときは、何を食べるか
決めておいた方がいいのかも知れない。
 

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